言葉とは

光よりも先に言葉があったのか、
はたまた光ができたあと、
その行為を説明するために言葉が生まれたのか。

言葉とは何か?
それは世界を名付け、分別していくものだ。

すべてが闇に包まれていた世界において
言葉が果たす役割は無に等しい。

物事の差異が明るみに出てはじめて、
言葉は意味を持ち始める。

街を歩くことについて

ひとつの街を歩くのにどれほどの時間が必要だろうか?
一日、一時間、はたまた一年と、
人によって答えは変わってくるものと思われる。

また同じ街であっても、そこを歩く時間帯によって、
街が僕たちに見せる表情は異なってくる。

朝に歩くのと夜に歩くのとでは
まったく別の街を歩いているような、
そんな感覚を抱いてしまうこともよくあることだ。

そういう意味では街もまた他者のような存在なのだろう。
僕たちは一生をかけたとしても、
ひとりの人間を理解することができない。
本当に理解することは。

それでもうまくやっていくことは可能だし、
そうしていかざるを得ない。

波間

波間

テトラポットの上から星を見た
どこか遠くのほうで犬が吠えた
薄暗闇をすすぐようにして
波は行きつ戻りつを繰り返す
飽きもせずに
一定のリズムを保ったまま
それを見守るぼくの
心臓の鼓動だけが
ほんの少し早くなる