2012/01/07

音楽評:YeYe『morning』

新年早々、やられてしまった。

22歳のシンガーソングライター
YeYe(ィエィエ)のデビューアルバム
『朝を開けだして、夜をとじるまで』。
標題はその冒頭をかざる曲。

同アルバムに収録されている
WEEZERの『Buddy Holly』のカバーも捨て難いけど、
やっぱり1曲目の印象には負ける。

また新しい、爽やかな風が吹いた。


2011/12/29

書評:『河北新報のいちばん長い日』

2011年3月11日14時46分——。

三陸沖を震源に発生した巨大地震は
沿岸の支局を流失させ、本社組版サーバーを倒壊させた。
販売員十数人が犠牲になった。

それでも彼らは情報を届けようと
新聞を作り続けた。

震災翌朝の光景を震える手で書き綴る記者。

ヘリから被災現場を空撮中のカメラマンが耳にした
同業者の詫びの言葉。

避難所に届けられた号外にのびる無数の手。

あの日、あのとき、
報道の現場では何が起こっていたのか。

被災者に寄り添った河北新報社員たちの全記録。




書名:河北新報のいちばん長い日
著者:河北新報社
出版社:文藝春秋社
出版年:2011年

2011/12/25

書評:柴崎友香、田雜芳一『いつか、僕らの途中で』

山梨と京都——。

遠く離れて暮らす2人は
別の街に住む相手に対して手紙を書く。

遠距離恋愛中の2人が交わす
往復書簡の体裁をとった書簡小説。

文章を柴崎友香が、絵を田雜芳一がそれぞれ担当。

田雜氏の描くモノクロの絵と、
何気ない日常を丁寧に掬いとる柴崎氏の文章が
静かな余韻を生み出している。




書名:いつか、僕らの途中で
著者:柴崎友香、田雜芳一
出版社:ポプラ社
出版年:2006年

2011/12/24

雑感:大好きな音楽のことなどを

父方の祖母の四十九日の法要で、実家に帰っている。

昨日は地域の方々にお集まりいただき、
祖母のために念仏を唱えていただいた。

念仏というのは不思議なものである。

最初のほうは弘法大師がどうしたこうしたと、
たしかにそこに存在していた意味が
いつしかその輪郭を曖昧にしてゆき、
最後には耳に快く響くかどうかという、
身体的な部分が主だった関心どころになってしまう。

もちろん僕自身が不信心であることの証左でもあるのだが、
念仏もやはり音楽のひとつなのだと思う。

そして死者をあの世におくる際にも
音楽が奏でられるという事実に、
僕は思わず愉快になってしまう。

2011/12/23

連載:東京の風景について#5

大学を卒業し、それまで住んでいた下宿を引き払ったあと、
しばらく池袋のホテルに滞在していた。
写真はそのホテルの一室から撮ったもの。

この写真を撮ったときはこれで見納めと思ったが、
その後も何度か東京を訪れる機会があり、
その度にあたらしい東京の風景を目にすることになった。

東京にさよならを言う方法はまだ見つかっていない。

(2009年・池袋)