The Salt of Life

生きがい。
それは『人間の絆』。
それはジーン・セバーグ。
それは『ワルツ・フォー・デイビー』。
それは谷川俊太郎のいくつかの詩。
それはラヴェルの『展覧会の絵』。
それは『マンハッタン』の最後でウディ・アレンが見せる表情。

善良なライオン

ヘミングウェイの「善良なライオン」という短篇小説のなかで、
主人公である善良なライオンの背中には翼が生えている。
そしてそのことが原因で、
他のライオンたちからいじめられることとなる。

おまけに彼はあまりにも善良すぎて、
パスタとスキャンピしか食べない。
そのことがますます善良なライオンを孤立させる。

 

パスタ?

 

僕はふと顔をあげ、
本を開いた状態のまま机の上に伏せる。

そしてサバンナに住むライオンが
いかにしてパスタを茹でるかについて空想する。

彼はアルデンテが好みなんだろうか?

 

Sunday at the Village Vanguard
蝶々と戦車・何を見ても何かを思いだす
ヘミングウェイ全短編3
新潮社

Firefox 3.0

Firefox 3.0がリリースされてから1週間が経った。

これまで使ってみてのとりあえずの感想は、
たしかにパフォーマンスの面で
大幅な改善が行われているなあということ。
(特にGmail などを開く際には隔世の感がある)

ただ、それまで利用していたアドオンが
新しいFirefox に対応していないなど、
ちょっとした不便があることも事実。
まあ、これはじきに解決するはず。

 

Firefox 3.0

こうしてみると、あら不思議、
だんだん「ス」の字がピースマークに見えてき・・・ませんか。
見えませんか。そうですか。

 

「平和教育」企画 : 戦争遺跡を見に行こう!

※このロゴは公式のものではありません。

とりあえず

ブログを開設してから1ヶ月が経過しました。

それはつまり、
立教のほうの立花ゼミのみなさんと関わるようになって
それだけの期間が経ったということでもあります。

これからもよろしくお願いします。

みんながキャベツをつくっているときにはトマトをつくれ。

他人の言葉だったか、自分で考え出したのかは忘れましたが、
これは僕の座右の銘(のひとつ)です。

たとえば企業なんかが自社の製品を
実際にお客さんに買ってもらおうとする際、
そこで取り得る手段というのは主にふたつあって、
ひとつはダンピング(安売り)であり、
もうひとつは商品に「差異性」を付与してやること。
これはもう、経済の基本ですよね。

それと同じように、
個人が運営するホームページであっても
なるべく多くの人の目に触れるようにしたいと思ったら、
ある程度の工夫は必要になってくるものです。

ただ、インターネットというのは
その基本的性格からしてタダ同然のものですから、
最初に挙げたダンピングは通用しない。

そうなると、いかに他のサイトとの
差異化を図るかが重要になってきます。

僕がホームページの運営をはじめたのが2004年。
当時はまだブログもSNSも
一般の人にはあまり知られていない状況にあり、
サイトの形式としてはホームページが主流でした。

いざ自分のページをつくろうとした際、
すでに存在しているいくつかのサイトを観察しながら、
個人の運営するホームページはどれも
だいたい同じような機能に分類できることに気づきました。
具体的には、「日記」「写真」「掲示板」などです。

そういったいわば「暗黙の了解」を横目で見ながら、
「なんか違うぞ」と思ったのです。

同じようなフォーマットに沿ってつくったのでは、
無数のサイトの群れのなかに埋もれてしまう。
それは嫌だなあ、と。

じゃあ他にどのような戦略をとるのか。
考えても、なかなか答えは出てきませんでした。

ところがある日、
待ち望んでいたアイディアがやってくるんですね。
しかも昼寝の途中に(笑)。

これはあるいは僕だけかも知れないけど、
およそプログラミングという作業は
日中よりかは夜中にやったほうが「雰囲気が出る」(笑)。

だからホームページを作成していた数日間は、
昼夜が逆転したような生活を送っていまして、
その日も昼間に仮眠をとっていたわけです。

すると、奇妙な夢を見たのです。
「奇妙な」といっても、
一体その夢のどこが奇妙なのかがわからない。
夢全体として奇妙さを形作っているとでもいいましょうか。

目が覚めたあとも、その夢の感触というのが
頭のなかに「痼り」のように残っていて、
どうにも落ち着かない。

その頃にはすでに文章を書くことが好きだったので、
とりあえず文章化してみたら
その夢のなにが奇妙なのかがわかるのではないか?
そう思って書きはじめたわけです。

ところが夢というのは非論理的なものなので、
そのまま書いたのでは全然なんのことかわからない。
自分の書いた文章を目の前にしながら、僕は途方に暮れました。

そうだ、これを小説にしよう。

ふと、そう、思ったのです。
足りない部分は想像力で補えばいい、と。

それまで小説なんて一行も書いたことがなかったのだけれど、
なぜかその瞬間は自分にも小説が書けるという気がして、
また実際に三時間くらいで書いてしまうのです。

書き終えたとき、
いままで得たことのないような感覚に
自分が包まれていることに気がつきました。

その興奮が冷めきってしまう前に、
文章の良し悪しも考えないまま
とにかくそれをホームページに掲載することにしました。

その数日後、
会ったこともない人からメールが届いていて、
そこには小説の感想が書かれていました。

それはおおむね好意的なものであり、
自分の内面から出てきたものがこうして他人の目に触れて
感想を述べられるというのは不思議なものだなあ
と思ったことをいまでも憶えています。

だから、僕が小説を書くようになったのは
半分は戦略的にであり、
もう半分は偶然に負うところ大なのです。

Cross Road

アメリカのデモクラシー

民主的な時代には貴族的な世紀より享楽は盛んであり、
とりわけこれを好むものの数が限りなく増える。

だが、他方、そこでは希望と欲求はなかなか実現せず、
魂は一層揺れ動いて落ち着かず、
心の悩みが激しいことは認めねばならない。
(トクヴィル『アメリカのデモクラシー』)

 

こういうのを「慧眼」というのだろうな、きっと。

The Intellectuals and the powers

どのような社会にも、
聖なるものに対して異常に敏感であったり、
また、宇宙の性質や、社会を律する規則について、
一風変わった考察をする人間が、かならず存在するものだ。

どのような社会にも、仲間との日常的ないとなみに飽きたらずに、
日常生活という直接的で具体的な状況よりも普遍的な、
そして時間的・空間的にも
遠くへだたったところにあるシンボルについて、
感心をもち、またそうしたシンボルと交感するのを望む
少数の人間がいるものだ。

こうした少数派のなかに、探究の成果を、口伝えなり
文字化された言語によって、あるいは詩的もしくは
造形的な表現によって、あるいは歴史的回顧なり記録によって、
あるいは儀礼的パフォーマンスや崇拝行為によって、
外面化して伝えたいという欲求が生まれる。

直接的で具体的な経験の彼方に突き進もうという、
この内的欲求のあるなしによって、
どのような社会の知識人も一般人と区別されるのである。
(Edward Shids “The Intellectuals and the powers“)

ショートホープ

「《景気回復の兆し 光見えてきた》か。君に光が見えるか?」

そういってゴトウさんは
読んでいた経済新聞をゴミ箱のなかに捨てた。
もっともゴミ箱のなかは
すでに他の人間の捨てたゴミで溢れ返っており、
そのゴミの山のうえに被せるようなかたちで
ゴトウさんはそれを捨てたのだった。

われわれはその日の作業をやり終え、
園内にあるベンチに腰掛けたまま一服していた。
僕は空になった缶コーヒーをなんとなくもて遊びながら、
眼前に広がる池のほうを眺めていた。

陽の光が反射して白く輝いた水面は、
よく磨かれた鏡の表面のような光沢を放っていた。
そしてそこに無数の棒が突き刺さっていた。
それは枯れた蓮の茎であり、
すっかり色褪せたその集団は穂先のない麦畑のようだった。
それは作物の育たない荒廃した土地を僕に連想させた。

池はその体内に並々と水を讃えていたが、
そこからなにか新しいものが生まれてくるとはどうしても思えなかった。
ところどころ打ち込まれた杭のうえで、
渡り鳥たちはしばし羽を休めていた。
長旅をしてきた彼らにとって、
それはつかの間の憩いの時間だったわけだ。

僕はなかでも「つり禁止」と書かれた
看板のうえで休んでいる一羽を眺めていた。
そいつは一目でわかるくらいでっぷりと太っていて、
本当にこいつはこんなことで空を飛べるのだろうかと
こちらが危惧するくらい、丸まって見えた。

しかしそんなことは余計な心配だったのだろう。
飛び立つべき時が来たならば、飛び立たなくてはならない。
そこで飛び立てないということは、
すなわち死を意味しているからだ。
好むと好まざるとにかかわらず、自然とはそういうものなのだ。

結局、僕がその鳥の飛び立つところを見ることはなかった。
その前にそのベンチを離れたからだった。
                   (『ショートホープ』)

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susami

susami
1985年香川県生まれ。
現在、埼玉県在住。

連絡等は
*mail@susami.net*
まで。

http://www.susami.net

 

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